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妥協日記

001:松ヶ根乱射事件



今年1本目の映画「松ヶ根乱射事件」みました。
監督は「リアリズムの宿」で大好きになった山下敦弘。

あまり先入観なく見ました。
(監督の個性ではなく、ストーリーとか)

1990年代のとある田舎町。
そこでの日常が描かれています。
相変わらずダメだけど憎めない人がたくさん出てきます。

ここからはネタバレも出て来るんで
嫌な人は見ないことにしてもらったら良いと思います。

主人公はこの町に住む警官。
双子の兄は仕事もさぼるし、当て逃げしてコソコソしてるし
父親も家庭を放り出して違う女の家に
母親はそれを怒るでもなく見ないふり
モテるためには20万を迷わず出す幼馴染
頼まれればすぐに下着を脱いでしまう娘
などなどで、主人公だけがまともな存在。

でもこの町での出来事で、
まともな主人公だけが狂っていく。

乱射事件、というから残酷な物語を想像していたのだけど
結局は誰も銃で死にません。
おじいちゃんが(寿命で?)死ぬくらい。
最後に壊れた主人公が誰に当てるわけでもなく
急にプッツンして乱射してしまうのみ。
またこのプッツン具合がうまく言葉にできないけど
絶妙な描き方。

これを見終わってから
監督のインタビューとかネットで見てたんですが
「今起こっている狂った事件の
伏線になっているような気がすごくしたんです」
と書いてたのがすごく印象的。
「まじめで普通な人がいきなりキレる」
みたいな前兆のない事件が多い昨今ですが
まさにそこまでの過程を描いた映画なんじゃないかと。

閉ざされた空間で
自分は正しいと思っていた男が
ちょっとずつ自分の価値観を狂った人に覆されていく
(そもそも狂っていることが正常な反応なんでしょうけど)
途中で主人公が急にゲロを吐きます。
「理解不能だよ、わけわかんねえよ」みたいな。
あの場面がとても印象的。
その後父親に決定的なダメージを与えられて
プッツン。

でも結局誰も死なないし、何も起きない。
何事もなかったようにまた日常がやってくる。
そんな日常。

ある種救いのない映画。
狂えた人間と狂ってしまった人間。
どっちが楽なんでしょう。

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